設定、変更管理、およびコンプライアンスのためのネットワーク自動化ツール

ネットワーク上の多くのハードウェアおよびソフトウェア デバイス（スイッチ、ルーター、モデムなど）は、設定、管理、起動、および監視を行う必要があります。これらの作業の多くは手作業で行うことができますが、自動化することで業務を合理化し、ネットワークの効率を高めることができます。

近年、デジタルが進化を続けることを背景に、ネットワーク自動化ツールの普及が進んでいます。今日のIT部門は、拡大する社内外の従業員や、彼らが効率的に業務を遂行するために必要な無数のネットワーク デバイスを管理しなければなりません。ほとんどの場合、ネットワークは大きくなればなるほど、複雑になっていきます。ネットワークの自動化は、これまでユーザーが手作業で各デバイスに反復作業を行っていた時間を短縮する効果が得られます。デバイス設定の更新を個別に行う必要はもはやありません。ネットワーク自動化システムを導入することで、変更を一括して行うことができます。

自動化はデバイス検出プロセスから始まり、このときネットワーク自動化システムは、ネットワーク上のすべてのデバイスを自動的に検出してインポートします。これにより、ソフトウェアはIPアドレスなどの 重要なデバイスの詳細を ネットワーク インベントリに追加できるようになります。デバイスの詳細を1か所で集中管理することで、複数の重要なタスクの実施を支援します。

堅牢なネットワーク自動化ツールは、ユーザーが変更テンプレートを設計し、標準化された設定を作成し、ネットワーク上の何百、何千ものデバイスにわたって更新を自動化できるワークフローを活用することを可能にします。また、重要なデバイスの詳細を1か所に保存することで、変更の自動追跡も容易になります。ユーザーは変更があり次第アラートを受け取ることができ、数分以内の問題解決が可能になります。

世界中の何千もの組織がネットワークの自動化を利用することには理由があります。それは役に立っているからに他なりません。ネットワークの自動化が、今日のIT環境において重要な役割を担うことの理由を、以下にいくつか紹介します。

• 生産性の向上： ネットワークの自動化を行わない場合、ユーザーはネットワーク上のデバイスのネットワーク設定や更新をすべて手作業で行うことになります。これらのタスクを自動化することで、ユーザーは日々必要とされていた時間を取り戻し、より緊急性の高い他の課題に集中することができます。
• ダウンタイムの短縮： 従業員の日々の業務は、安全で安定した接続に支えられています。ネットワーク自動化ソフトウェアは、定期的なバックアップなど多くの設定プロセスを簡素化し、設定ミスを防ぎ、高いネットワーク稼働時間を維持するように設計されています。
• コンプライアンスの維持： ネットワーク自動化ソフトウェアは、堅牢な脆弱性スキャンと即時修復機能を提供し、ユーザーのセキュリティ ポリシー遵守を支援する機能を備えています。また、DISA STIG、NIST FISMA、HIPAA、PCI DSSなど、多くのセキュリティ標準への準拠を証明するための包括的なコンプライアンス評価とレポート機能も提供します。

設定変更とバックアップのための特定のネットワーク プロセスを自動的に設定するには、関連するタスクの種類と専門知識レベルに応じて、スクリプトまたは設定変更テンプレートを使用する必要があります。

• スクリプト を使用すると、簡単かつシンプルに設定変更できます。これには、実行するプログラム（通常はコマンドライン インターフェイス（CLI））が理解できる言語で命令の概要を説明したテキスト ドキュメントが含まれます。ユーザーは、必要に応じて設定を確立および変更できるよう、CLIの操作方法を知っておく必要があります。スクリプトを利用する一般的なタスクには、設定ファイルのダウンロードとアップロード、iOS画像のアップロード、ログイン バナーの更新、アクセス コントロール リスト（ACL）の更新などがあります。
• コンフィグ変更テンプレート は、より詳細で洗練されたパラメーターを作成するのに役立ちます。プログラミング言語を利用して特定のコンフィグ ルーチンを微調整し、ユーザーがデバイス ポートごとにVLANメンバーシップを変更したり、CiscoおよびJuniperデバイスのIP SLAを有効にしたりできるようにします。デフォルトでは、NCMは、望みの目標に基づいて選択できるコンフィグ変更テンプレートを提供します。

NCMを使用して設定を編集するには、エンドポイントに対してスクリプトを手動で実行するか、適切なコンフィグ変更テンプレートを選択する必要があります。バックアップ用に、NCMには夜間コンフィグ バックアップ ジョブがあり、すべてのデバイスからすべてのコンフィグ ファイルを毎日自動的にダウンロードします。これはデフォルト機能であり、バックアップの必要性に合わせて調整できます。さらに、夜間コンフィグ バックアップ ジョブは、すべてのデバイスからRunningコンフィグとStartupコンフィグをダウンロードし、変更されていない場合でもすべてのコンフィグを継続的に保存し、ジョブの結果をログに記録します。

NCMではこれらの設定を変更するオプションが提供されますが、一度行った変更は元に戻せないため、バックアップ ジョブのコピーを使用することをお勧めします。NCMでの手順は次のとおりです。

1. ［マイ ダッシュボード］>［ネットワーク設定］>［ジョブ］の順に移動します。
2. ［夜間のコンフィグ バックアップ ジョブ］をクリックします。
3. [ジョブの複製]を選択します。
4. 識別しやすいように一意の名前を入力します。
5. ジョブを実行するタイミングを指定します。[基本]オプションを選択して開始時刻と終了時刻を簡単に指定することも、[詳細]を選択して特定の条件と例外を追加することもできます。
6. 希望するメール通知オプションを選択します。
7. ダウンロードする設定のタイプを選択し、各タイプの設定をバックアップします。
8. すべての設定を確認し、[完了]をクリックします。
9. 元のジョブを無効にするには、[ジョブ リスト] > [夜間コンフィグ バックアップ デフォルト ジョブ] > [無効にする]に移動します。

ネットワーク自動化ソリューション内のレポートは、ネットワークのヘルスとパフォーマンスを分析するための主要メトリックの概要を提供します。レポートでは、ネットワークの現在の状態に関する詳細情報や、履歴データを確認できます。レポートは、必要に応じて特別な目的に実行したり、事前にスケジュールして定期的なシステム チェックを実行しやすくしたりできるため便利です。NCMでは、監査やポーリングの結果からセキュリティ、インベントリ、ネットワーク エンティティの更新など、事前定義されたレポートが提供され、包括的なパフォーマンスとアクティビティの洞察が得られます。

突然の変化や異常が発生するとアラートで通知されるため、ダウンタイムが発生して業務が中断される前にエラーを軽減できます。ネットワーク障害はネットワーク設定の変更に伴う問題によって発生する可能性があるため、変更が行われたときはそれを監視および記録し、これらの変更を実装するユーザーを制限することが重要です。NCMには、ノードの機能不全、大量のネットワーク トラフィック、大幅なコンフィグ変更、デバイスの検出など、さまざまなアプリケーション向けの事前定義されたアラートの大規模なライブラリが搭載されています。

スクリプトを使用すると、ユーザーが手動で処理するには時間がかかりすぎるプロセスを自動化できます。グローバル変数、ノード変数、転送変数、コマンド変数、および時間変数が適切に設定されている場合、単一のスクリプトで複数のデバイスにおける自動タスクを処理できます。

NCMでの自動化スクリプトの設定は、[マイ ダッシュボード] > [ネットワーク設定] > [設定管理] > [スクリプト管理] > [新しいスクリプトの追加]に移動するだけで簡単かつ迅速に行えます。ここで必要なスクリプト情報を入力し、[保存]をクリックして、スクリプトを実行するノードを選択するだけです。

NCMを使用すれば、スケジュールを設定してジョブを実行できます。ジョブ設定には特定の役割と権限が必要であり、NCMの設定管理承認機能を使用して割り当てる必要があります。また、すべてのユーザーがジョブを表示または編集できるわけではないため、特定の役割と権限を実装するときにはノードの制限に留意する必要があります。

Network Configuration Managerは、利便性と効率性を向上させるために、次の自動ジョブ タイプを提供します。

• デバイスでコマンド スクリプトを実行する： 選択したデバイスでスクリプトを実行します。
• デバイスへの変更をアップロードする： 編集したコンフィグ ファイルを選択したエンドポイントにアップロードします。
• コンフィグをエクスポートする： エクスポートしてコンフィグ ファイルのバックアップ コピーを生成します。
• 定期的なデータベースとアーカイブのメンテナンスを実行する： NCMプラットフォームから古い未使用のデータとタスクをクリーンアップします。
• インベントリを更新する： 選択したノードの正確なインベントリ情報を維持します。
• コンフィグ変更レポートを生成する： 最近ダウンロードしたコンフィグ ファイルを、ベースライン コンフィグ、以前のコンフィグ、または指定された日付範囲内のコンフィグ ファイルと比較します。
• ポリシー レポートを生成する： ポリシー違反をスキャンして分析し、ユーザー レビューのために調査結果を記録します。
• データベースから古いコンフィグを消去する： 古いコンフィグを削除してネットワーク障害を軽減し、効率性を維持します。
• デバイスからコンフィグをダウンロードする： 選択したデバイスからコンフィグ ファイルをインポートします。
• 選択したデバイスを再起動する： 選択したノードをジャンプスタートします。

Network Configuration Manager内のライセンスは、プラットフォーム内で管理されているノードの数によって異なります。NCMには次の7種類のライセンスがあります。

• DL50：最大50台のデバイスに使用可能なライセンス。
• DL100：最大100台のデバイスに使用可能なライセンス。
• DL200：最大200台のデバイスに使用可能なライセンス。
• DL500：最大500台のデバイスに使用可能なライセンス。
• DL1000：最大1000台のデバイスに使用可能なライセンス。
• DL3000：最大3000台のデバイスに使用可能なライセンス。
• DLX：台数制限なしのライセンス。