NetFlowとは？

ネットワーク フローまたはトラフィックとは、一定期間にわたってネットワークを介して送信されるデータの量です。ネットワーク フローの監視は、ネットワークの通常の動作とパフォーマンスを明確に理解するための鍵であり、リソースの必要性に対する理解の向上を助けます。

NetFlowデータの監視と分析は、ネットワーク パフォーマンスを適切に維持するうえで重要な役割を果たします。これは、ネットワーク フロー監視が提供する可視性が、アプリケーション、エンドポイント、トラフィック、エンドユーザーに関する最新の情報を収集する最も効率的な方法の1つであるためです。

ネットワーク管理者は、NetFlowセンサーおよびデバイスによって収集されたデータを、以下のようなさまざまな方法で使用できます。

• ネットワーク管理：NetFlowデータは、受信と送信のトラフィックを監視し、どのデバイスおよびエンドユーザーがネットワーク上でトップ トーカーであるかの追跡に使用できます。
• サービスの品質：NetFlowデータは、すべてのサービス契約レベルに対して十分な帯域幅が割り当てられていることを管理者が確認する際に役立ちます。
• スケーリング：サポートするための適切なリソースやツールがないままネットワーク使用率が増加すると、帯域幅不足によりネットワーク トラフィックにチョークポイントが生じることになります。NetFlow分析は、プロビジョニングが不十分なリソース プールを特定し、企業の成長に合わせて何を優先すべきかについての根拠を明確に示すことができます。
• セキュリティ：NetFlow ツールを使用すると、基本的なネットワーク動作の異常が明らかになり、管理者はサイバーセキュリティ イベントを詳細に調査するためのフォレンジックな証拠とツールを入手できます。
• 問題のトラブルシューティング：ネットワークの速度低下やトラフィックの急激な変化が発生した場合、ボトルネックの原因となっているデバイスやプロセスを正確に特定する際には、NetFlowデータが有用です。ネットワーク フローの問題の根本原因を知ることは、問題を解決するために必要な第一歩です。また、多くのNetFlow監視ソリューションには、現在および過去のネットワークの問題を一目で理解できるレポート機能が含まれています。

NetFlowソリューションは、ネットワーク フロー データの監視用に一般的に使用されている標準です。Ciscoルーターの一機能としてリリースされたNetFlowは、データ パケットがインターフェイスに出入りする際のIPネットワーク トラフィック情報を監視できるものです。NetFlow監視ソリューションは、3つの主要なツール（エクスポーター、コレクター、分析アプリケーション）で構成されています。

1. NetFlowエクスポーター：クライアントからのリクエストがサーバーに送られると、エクスポーター ツールとして動作するデバイスはデータ パケット ヘッダーを読み取り、データが行き来するIPアドレスやポート、プロトコル番号、データ サイズやパケット数などのデータが含まれたフロー レコードを作成します。このツールはデータ パケットを個別のフローに整理し、フロー レコードをフロー コレクターに送信する役割を担っています。
2. NetFlowコレクター：このツールはフロー レコード データの受信、保存、および分析に向けての準備を行います。
3. NetFlow分析アプリケーション：このツールはフロー レコード データを分析し、ネットワーク トラフィックとパフォーマンスの総計をより理解できるようにします。これはトラフィックのプロファイリングや侵入検出の取り組みに役立てられます。

NetFlowコレクターはNetFlow監視システムの一部で、フロー エクスポート ツールとして動作する1つ以上のデバイスから、フロー レコード データを受信して保存します。NetFlow機能を有効にしたルーターは、NetFlowレコードを生成します。これらのレコードはルーターからエクスポートされ、NetFlowコレクターを使用して収集されます。NetFlowコレクターはデータを処理し、トラフィック分析を行い、ユーザーにわかりやすい形式で結果を表示します。NetFlowコレクターはハードウェアベースのコレクター（プローブ）またはソフトウェアベースのコレクターという形をとることができます。一般にNetFlowコレクターとは、NetFlow分析を行う機能も持つサーバーです。

大規模なネットワーク、大量のトラフィックが発生するネットワーク、デバイス同士が地理的に離れているネットワークなどの場合、NetFlowコレクターのロールを複数サーバーに分散させることができます。この場合、個々のNetFlowコレクターは、フロー レコード データを別の集中型サーバーに送信し、NetFlow分析を実行することになります。

NetFlowコレクターを使用することで、ITプロフェッショナルはNetFlow分析を行い、ネットワーク フローの送信元と宛先、およびトラフィックの生成量について、より深く把握できるようになります。

SolarWinds NetFlow Traffic Analyzer（NTA）は、NetFlow v5、v9、IPFIXデータに加え、Huawei NetStream、Juniper J-Flow、NBAR2、sFlowといった主なCiscoの代替製品からのフロー レコード情報など、さまざまなデバイス タイプからネットワーク フロー レコードを監視し収集するツールを管理者に提供します。

NTAは直感的なWebコンソールでシームレスなネットワーク フロー監視体験を実現するように設計されており、通常、数クリックで複数の重要なメトリックをカスタムのグラフで相互参照することができます。付属のPerfStack^™機能は、システム全体のパフォーマンス メトリックを1つのタイムラインにドラッグ＆ドロップすることができ、ネットワーク トラフィックの問題の根本原因をより効率的に特定するのに役立ちます。

包括的な監視は、トラフィック パターンと潜在的な根本原因のより深い洞察を得るための第一歩です。NTAは、詳細かつ正確なデータと、トラフィック データを相互に関連付ける機能を提供して、ネットワーク環境内のトップ トーカーに、より優れたNetFlow分析と可視性をサポートするのに役立ちます。またNTAは、ネットワークの特定のニーズに合わせて監視体験をカスタマイズでき、常に監視が必要な特定のIPアドレス、ポート、またはユーザーのアクティビティを追跡するプロセスの効率化を支援します。

NTAは、ITプロフェッショナルにより、それ以外のプロフェッショナルを念頭に置きながら設計されたものです。NTAのオールインワンNetFlowソリューションは、ネットワークの問題が突然発生したタイミングと、なぜ多くの場合に突然発生したのかについて、正確な把握を容易にする機能を備えています。NTAのNetFlow収集ソフトウェアによって追加される可視性は、パフォーマンス問題の解決にあたって、より適切な、より多くの情報に基づいた意思決定を可能にします。また、SolarWinds NTAにはスマートなアラート システムが搭載され、パフォーマンスのしきい値を設定すると、重要なメトリックがその条件に達するか超過した際、選択した方法で通知することができます。

NTAでは、ツールがフロー レコード情報をNTAフロー ストレージ データベースに保存し、CBQoSデータをSolarWinds Orion^®データベースに保存するように設計されているので、後で分析するためにデータを保存することもできます。詳細に収集されたこの情報は、トラフィック データの履歴バックログを提供し、堅牢なレポート機能を使用してより深い洞察を得るために分析できます。NTAのレポートは、収集したデータからわかりやすいグラフや表を生成します。自動実行をスケジュールすることにより、ネットワークをどのエンド ユーザーが最も利用しているか、どのように利用しているか、どの程度帯域幅を利用しているかについて、主要な関係者に常に情報を提供できます。また、NTAはQoS最適化機能を備え、ポリシーが意図した効果を発揮しているかどうかについて、効率的に評価することを可能にします。